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ラーニング・フォーラム2010ご報告

2010年7月22日 木曜日

「ラーニングフォーラム2010」を開催いたしました。多くのお客様にご参加いただき、大変好評の後に終了することができました。
内容について、報告いたします

開 催 日 2010年7月21日(水) 13:00~17:30
開催場所 福岡国際会議場 501会議室
講 師 原口泉様(鹿児島大学 法文学部教授) 

増田弥生様(前ナイキアジア太平洋地域 人事部門長)

音 楽 涼恵様

13:00~ オープニング〜ラーニング・システムズ株式会社 代表取締役社長 高原 要次

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ラーニング・システムズの企業理念、大切にしていること
“学習を通して成長し、人の役に立ち、人生を楽しむ” 

●ラーニング・フォーラムのコンセプト
・「成長曲線」今までの延長線上に未来はなく「変わる」事が必要
・「学習する組織」組織が学習して発展するためのお手伝い

●激動の時代の”人”づくり
・時代・・経験・・歴史・・について考え、現在を視る
・日本・日本人、グローバル・・マーケットは広がっている。世界で通用する日本人という視点を持つ
・リーダー・リーダーシップ・・日本人だから発揮できることとは何か

こういった視点で本日は皆さんと考えていきたい

13:15~ 幕末・維新のリーダーたち~組織を動かし時代を動かす~
鹿児島大学法文学部教授原口 泉様

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思いつきを理論化する、そして実行するには段取りが重要となってくる。段取りをする上で重要なのは、リーダーの存在である。リーダーに求められる役割や能力について、幕末の人物の生き様から学ぶ 

●組織を動かすこと=人の心を動かすこと
指示・命令形では、人の心を動かすことはできない。リーダーには「人の心を動かす」ための情熱が必要である。

●明確な目標 ×情熱(パッション)
西郷隆盛、大久保利通らは「倒幕」という目標を掲げ薩摩藩を動かし、着々と実現に向けて行動していた。「倒幕」という目標達成のために何をどうするのか、そのコンテンツを伝えようという情熱(パッション)があり、実際に周りを動かしていった。

●「夢」を持ってリスクをおかす
「夢」つまり「ビジョン」実現にためには、できないことを考えるのではなく、できることを考える。特に変革期においては、リスクをおかすことを厭わず、まず行動することが重要。薩摩の郷中教育においては「あとで考える」は通じない。即考える、即決断することが徹底されている。
幕末において坂本龍馬が果たした役割は大きい。「他を排除しない生き方」を実践した日本で初めての人物であり、指示・命令形ではなく人の心を動かす情熱を持ったリーダーであった。

「世の人は我を何とも言わば言え、我がなすことは我のみぞ知る」とは己の信念を貫いた龍馬らしい言葉といえる。

14:55~ グローバル・リーダー ~日本人が世界でできること~
前ナイキ アジア太平洋地域 人事部門長 増田弥生様

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会社員生活が楽しい!と思える組織とは?社員がイキイキと働くためにリーダーが果たす役割とは? 自身の経験・キャリアを踏まえてのディスカッション形式での講演。 

●リコーの10年 <ビジネスパーソンとして成長した10年>
ジョイントベンチャーの設立から精算をまでを経験したことで「企業は組織や人の能力を高める」ことを考えるべきと思うようになった。現場を良く理解できた10年だった。

●リーバイスの10年 <専門家になるための10年>
組織開発の仕事を徹底的に学び実践した。現場を知っていることが非常に役に立った。リーダーとして人を動かしその気にさせるためには、命令形ではなく横並びで一緒に目指すことが重要である。
★グローバルで活躍するためには「日本人であること」に誇りと自信を強く持ち、100%自分自身であることで世界に貢献する、とこのころから強く感じるようになった。また、グローバルであるためには、日本と海外という考え方ではなく地球規模で考える視点を持つことが重要である。

●ナイキの10年 <仕事のプロとしての10年>
リーダーとしてまず初めにビジョンを示した。その後も常にビジョンを示してチーム(組織)の道筋を示し続けた。
20人いたら20通りの言い方ができること、これがグローバルには欠かせない。そのためにはチームのメンバーは、C3PO(忠実なしもべ)ではなく、ヨーダ(力あるコーチ)でなければならない。(スターウォーズは万国共通だから)

日本人・日本企業にはリーダーシップ・アイデンティティが欠如していると感じる。自分は(組織は)どうしたいのかというビジョンが欠けていたり、人から学ぼうという姿勢や貪欲さが少ないように感じる。リーダーシップはリーダーだけのものではない。一人ひとりが発揮するものである。

16:10~ ラーニング・システムズからのお知らせ
ラーニング・システムズ株式会社 営業部長 高山有朋

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ラーニング・システムズの近況について3つの視点で紹介 

●リコーの10年 <ビジネスパーソンとして成長した10年>
ジョイントベンチャーの設立から精算をまでを経験したことで「企業は組織や人の能力を高める」ことを考えるべきと思うようになった。現場を良く理解できた10年だった。

●管理者行動診断:MBD
「管理者の能力レベルは?」「優秀な管理者とそうでない管理者の違いは?」「管理者一人ひとりの能力レベルは?」など、管理者の能力開発に役立てていただくためのアセスメントが「管理者行動診断」である。管理者に求められる能力を11のコンピテンシーから測定し、各コンピテンシーの現状を把握し課題を特定するものである。測定内容は「概念力」「遂行力」「影響力」の3カテゴリーおよび「生産性と充実感」である。

●現在の取り組み
セールス分野、マネジメント分野、サービス分野、共通プログラムに加え能力アセスメントツールを充実させている。あらゆるニーズに応えるべく、公開講座も充実させている。また、2010年8月には社内にセミナールームを開設し、様々な分野で皆様の課題解決のお手伝いができればと考えている。

16:55~ 花の祈り〜 涼恵 様

07forum2010-6●世界でたった一人の神職の唄ひ手であり、その音楽、世界観も独特の空気感が漂い、オーラを放っていた。また、押し花で彩られた照明が彼女の神々しさをより一層惹きたてており、幻想的な世界に会場が包まれた。

“国際化”と“グローバル”

2010年7月1日 木曜日

書生時代、実習したブラジルのサンパウロで、共に働く仲間から「Vem ca Japonese,Toma cafe!(オイ日本人、ここに来て、コーヒーを飲めよ!)」と声を掛けられた。彼は、私の名前が咄嗟に出なかったので“オイ日本人”と呼びかけたのかも知れないが、当初は親しい仲間から「オイ日本人」と呼びかけられることに違和感を感じた。日本国内では、外国人に対して、「オイ○○人」と呼びかけることはまずないし、まして親しい間柄では、ありえない。
08-10071ブラジルは移民の国である。「人種の坩堝」と言われるがごとく世界中から人が集って「ブラジル」という国を作っている訳だから、この国の社会そのものがグローバルであり、日々の普段の生活がグローバルである。何しろ、隣の主人はイタリア人、そのまた隣はポルトガル人、前はシリア人、それぞれの奥さんはまた別の国、という訳である。しかも、これらが混血すると何人なのか解らない、すべてブラジル人。
「日本」と「海外」という二軸でものを考えると、日本ではない海外は特別の世界で、日本人ではない外国人は特別な人、従ってその特別な人たちと「うまくやっていく術」が国際化であり、それができる人が国際人。そして、輸出や輸入の経済活動、交流や歓迎の社会活動になる。 これをA国、B国、C国、D国の複数軸で考えると、それぞれは特別な国ではなく、世界の中の一国、A国人、B国人、C国人、D国人は特別な人ではなく隣人。となれば、異国の人と仲良くなることは、日本人同士で仲良くなることと同様で、相手を認め、思いやり、尊重し、フランクに接することであろう。特別な人と、特別な接し方をするのではないように思う。
グローバルに活躍できる日本人を作ろうとする時に、個の確立ができる、日本人としてのアイデンティティを持つ、相手の文化を理解する、語学というコミュニケーションスキルを有する(英語が話せる)等は重要である。しかし、その根底に総合的な人間力が問われるように思う。日本で活躍できる日本人と同様であり、いわばEQ(Emotional Quotient) が高くないと、人と人とは上手くやれない。ゴルフの本を何冊読んでも上手くならない。リーダーシップの本を何十冊読んでも、リーダーシップは身につかない。行動しないと何も始まらない。人間力も「行動と気づき」の経験から醸成される。

先日、我が家にセネガル、ネパール、中国、韓国、インドネシア、ブラジルの留学生が田植えの手伝いに来た。まさに「人種の坩堝」と化した我が家の庭で、「オイ、ブラジル人、こっちに来て、お茶を飲めよ!」と親しみを込めて呼びかける私がいた。 (高原 要次)

真に強いキャタピラー九州を目指して:キャタピラー九州株式会社様

2010年6月1日 火曜日

08-10061キャタピラー九州株式会社 営業部 販売促進課 後藤 悦夫さま

世界最大の建設機械メーカー・米キャタピラー社と三菱重工業株式会社の合弁会社であるキャタピラージャパンの九州地区特約販売店として、建設機械をはじめ環境リサイクル、解体、港湾、農業畜産など幅広い分野で活動しております。

国内向け公共投資の減少や需要の低迷、レンタルの拡大など建設機械業界を取り巻く環境は激変しています。内需、外需、特需は期待できない状況ですが市場が様変わりした今だからこそ、我々は自らの手で需要を作りだす必要があると強く感じております。
08-10062<新規事業への取組み> キャタピラー九州では、教習事業や営農環境事業という新規分野に進出することで、コアビジネスである建設機械事業をサポートし、かつ各事業が独自で売上拡大、収益向上できることを目指しています。キャタピラー九州に相談すれば何でも答えてくれるとお客さまに思って頂くためにも今後も力を入れて取り組んで参ります。

<自ら需要を作りだす営業マンの育成> お客さまの潜在的ニーズを呼び起こし需要を喚起するためには、お客さまの経営課題から業界動向まで幅広い知識を持ち、お客さまの仕事上の問題解決のお手伝いをする関わり方が重要です。そのためにもやみくもに営業活動を行うのではなく、優先順位を考えたテリトリ戦略や訪問管理・商談管理がより重要になってくると考えています。また、製品に対する深い知識を持ち、キャタピラー製品を使うことでお客さまが得られるメリットを明快に伝えることも欠かせません。 お客さまと質の高いコミュニケーションを取り「一番に呼ばれる営業マン」を育成していきたいと思っています。

ラーニング・システムズには次世代リーダー育成という観点から「明日のキャタピラー九州を担う“核”となる人材を育成する」ことを目的に教育を依頼しています。将来に向け、現場の総力を上げるためには今がチャンスだと期待しております。 倫理綱領である「健康・誠実・能力・奉仕・規(おきて)」をベースに、お客さまとの信頼関係づくりを方針として、建設機械業界№1のディーラー“真に強いキャタピラー九州”を実現してまいります。

新人に学ばせるためのコツとは

2010年5月1日 土曜日

08-1005前回(2010年2月)に続き、今回は教育担当者として新人に〝いかに学ばせるか〟について考えたい。学ばせるためのコツは3つある。1つ目は「手本になること」である。何かを教わると、新人はまずは頭で理解する。その上で、手本である我々教育担当者を見て、「どこまでやったらよいか」の程度を考える。
例えば、ビジネスマナー。新人は我々を見て「まねをする」のである。「刻印付け」という言葉があるように、新人にとっては最初に出会う我々教育担当者が親鳥と一緒である。我々自身が日頃から誠実に実践していることが重要である。2つ目は「目標の合意」である。〝ありたい姿〟を新人と本気で話し合って共有し、その姿に近づくための〝具体的な目標“を合意することである。3つ目は「自分で考えさせ、言わせる」ことである。敢えて教え過ぎず、自ら考えさせることが重要である。コーチングと同じで、我々は答えがわかっていても、本人に気づかせ、言葉に出させ、自主的に行動に移させることが重要である。

どうであれ教育担当者にとっては、「本気で新人を育成しようという熱い思い」と「成長を見守ってやる覚悟と忍耐」が何よりも大切である。(高山 有朋)

士は節義をたしなみ申すべく候

2010年4月1日 木曜日

鶴の飛来で有名な鹿児島県出水市、此の地に「出水兵児(いずみへこ)修養之掟」というものが残っている。薩摩・大隈・日向の三国は、鹿児島に居城を置く島津氏が統治しており、領内各地には「麓」と呼ばれる出城を置いて、外部からの敵襲に備え、領内の治安に務めていた。ここに兵児(へこ)と呼ばれる武士がいた。彼らは倫理観が高く、かつ剽悍であり、“男らしく・武士らしく”と戒められた。出水の地は肥後の国との境、薩摩飛脚と呼ばれる徳川の隠密をはじめ薩摩への侵入を防ぐ重要な役割があった。その武士の掟が「出水兵児修養之掟」である。

08-10041「士は節義をたしなみ申すべく候
節義のたしなみと申すものは 口に偽りを言わず 身に私を構えず
心すなおにして作法乱れず 礼儀正しくして 上にへつらわず 下をあなどらず
人の患難を見捨てず おのが約諾をたがえず かいがいしく 頼もしく
かりそめにも下様のいやしい物語悪口など話のはしにも出さず
たとえ恥を知りて首刎ねらるるとも 己がなすまじきことをせず
死すべき場をひと足もひかず その心鉄石のごとく
また温和慈愛にして 物の哀れを知り 人に情あるをもって
節義のたしなみと申すものなり」

 

この掟は出水郷三代地頭の山田昌巌の訓と言われている。
薩摩には「郷中教育」という武士の子弟を育てる教育システムがあった。青少年を「稚児(ちご)」と「二才(にせ)」に分け、勉学・武芸・山坂達者(体育)を通じて、先輩が後輩を指導し、強い武士をつくろうとするものであった。年長者は年少者を指導すること、年少者は年長者を尊敬すること、負けるな、嘘をつくな、弱い者をいじめるな、ということなど、人として生きていくために最も必要なことを教え込んだ。特に出水では、この「出水兵児修養之掟」を基本にして子供達が鍛えられ、凛とした薩摩隼人に育っていった。人は教育されて「人」になり、その教育が国の礎である。明治維新が成った背景には、士道を日常の規範とした剽悍な薩摩兵児の存在があったのである。(高原要次)

お客さまにとってなくてはならない存在になるために:イオン九州株式会社様

2010年3月1日 月曜日

08-10031イオン九州株式会社 ストアサポート本部教育訓練部 マネージャー中村正様
イオン九州は、九州中心にジャスコ・サティ・イオンスーパーセンター・ホームワイドを展開しています。イオングループとしてのスケールメリットを活かしたグローバルレベルの経営と、九州という地域に根ざしたベストローカルなサービスの提供を推進し、九州№1のリージョナルチェーンを目指しています。また、お客さま満足業であるという視点から、お客さまに安全・安心な店舗・商品・サービスの提供を通じて、地域社会の生活文化の向上のため、環境保全や社会貢献活動にも力を入れており、植樹活動をはじめ、地域の皆さまと共に様々な活動をしています。
【変革と挑戦】
現在、小売業を取り巻く環境は大きく変化しています。お客さまニーズの多様化、少子高齢化、食の安全へのニーズの高まり、個人消費の低迷・・・。このような状況において、イオン九州では「変革と挑戦」を掲げ、お客さまにとってより使い勝手の良い売り場づくりの実現に力を入れています。

【チャレンジ精神を持ち、何事にも前向きに取り組める人】
売り場づくりを行うのは「人材」であり、イオン九州にとって人材は最も重要な経営資源であり、差別化の源泉です。この急激な変化に対応していくためには「お客さま視点で自立的に考え変革行動できる人」が欠かせません。常にアンテナを広げ、現場の問題点をいち早く発見しその問題解決に向け前向きに改善行動ができる人、失敗を恐れず挑戦できる人、困難をプラス思考に変えていける人・・・。チャレンジ精神を持ち、何事にも前向きに取り組める人材を育成したいと考えています。

08-10032ラーニング・システムズとは、マネジメント層に対し、特に「部下と良好な関係を構築するためのコミュニケーション手法」について研修を依頼しています。部下一人ひとりに合わせたサポート法など、実際の現場でのケースを使うため効果が期待できます。
どのような時代であってもイオン九州の原点は徹底した「お客さま視点」にあることに変わりはありません。私達は、実際にお客さまと接する現場を最も重視し、お客さまの生の声に耳を傾けながら、基本理念である「お客さま第一主義」を実現してまいります。

新人を成長させるための指導・育成とは

2010年2月1日 月曜日

08-10022010年がスタートして既に半月が経過した。雇用環境が厳しい中、採用人数が不確定なまま各企業の採用担当者は2011年度の新卒採用活動を本格化している。“業績の見通しが厳しいから採用をストップする”では将来的に年齢構成の歪みが生じてしまい組織力の低下につながる恐れがある。将来への投資として新卒採用を継続する企業も多いと思われるが、折角採用した新入社員を効果的に育成し、早い段階で社会人としてかつビジネスマンとして戦力化していくことが採用担当者・教育担当者の導入教育の目的であろう。 教育カリキュラムに沿って、社内講師で実施する企業も多くなってきたが、効果的な指導の仕方やいかに学ばせるかについて、考えてみたい。
指導の仕方は大きく分けて2つある。1つは“教える(一方的に伝えるという表現が的確かもしれない)”ことであり、2つ目は“学ばせる”ことである。講師経験がある方は、“教える”ことは比較的容易であることはすでに気づいているだろうが、難しいのは、いかに“学ばせる”かである。新人を早期に成長させるためには、“教える”ことと“学ばせる”ことのバランスを考え指導・育成していくことが欠かせない。

例えばビジネスマナー、経験の少ない新入社員には“型を教えて”徹底的に練習するしかない。“学ばせる”というよりは“教えたことを徹底させる”ことであろう。逆に、営業の場合はどうだろうか?これは、お客さまを通して“いかに気づかせるか、学ばせるか”が重要である。基本は教えるが、“何故”を中心に教え考えさせることが必要である。新入社員の段階では、すぐに成果を期待するよりは、お客さまから学ぶ機会を多く創り失敗を繰り返して学ばせることが成長につながる。
“学ぶ”ことは本人の成長に欠かせない。教育担当者としては“学ばせる”ことに重点を置いて指導、育成していく事をお勧めするが、“学ばせる”ためのコツは、コーチングと同じで、かなりの“我慢”を要するかもしれない・・・。(菊池政司)

本日天気晴朗ナレドモ波高シ

2010年1月4日 月曜日

08-10011「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」明治38年(1905年)5月27日午後、朝鮮半島南東岸鎮海湾の連合艦隊旗艦「三笠」から東京の大本営あてに発せられた電文である。起草したのは秋山真之。そしてZ旗を掲げ、東郷平八郎司令長官から全艦隊の将士に告げられる「皇国ノ興廃此ノ一戦ニアリ、各員一層奮闘努力セヨ」、この電文を読んだだけで身震いするような高揚感を覚え、日本人として凛とした気持ちになる。
“まことに小さな国”が開花期を迎え、日露戦争という大きな困難に遭遇した。もしこの戦争に負けていれば、この国は滅びている。明治になってわずか38年、ロシアに対してまさに乾坤一擲の戦を挑んだのである。司馬遼太郎の「坂の上の雲」に登場する人物たちは“自らこそが国家を担う”というような気概に溢れ、誇り高き武人である。
日本海海戦で、何故勝てたのか・・・?第一は、秋山真之が編み出した「T字戦法(東郷ターン)」を覚悟もって採用したことであろう。彼は戦術を学ぶためアメリカに駐在武官として赴任しているが、結局は能島流水軍(村上水軍)の兵法書を下敷きにして、この戦術を考案した。第二は、実際の戦闘場面における、命中精度の高さであろう。ロシアの精度とは比較にならない。徹底した砲術訓練の賜物であり、統一射撃という作戦が功を奏した。そして第三は、何と言っても大本営の山本権兵衛、司令長官東郷平八郎、それぞれの艦を指揮する艦長たちのリーダーとしての存在と、リアリティのある働きであろう。結局は「人」である。

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この海戦、相対的な勝利では日本は存続できない。完璧なパーフェクトな勝利でないと国が滅ぶのである。国として、艦隊として、個人個人が決死の覚悟で望んだ戦いである。この先人に敬意を表するとともに、日本人であることを誇りに思う。 しかし、この完璧な勝利がその後の日本を誤らせる・・・。(高原要次)

価値創造型営業へ変わるために

2009年12月1日 火曜日

08-0912営業を取り巻く環境は厳しい。市場は冷え込み、各企業においても現状の生産性向上やコストダウンは考えても、新たに設備投資や新事業を行うことは困難である。そのような状況の中で、営業担当者は今どのような活動をすべきなのだろうか。
営業としては、やはり数字達成のため、一生懸命商品やサービスの説明をしがちである。結果お客さまは「売り込みをされる」という印象を持ってしまう。しかし、営業は、モノ売りではなく、商品やサービスの説明員でもない。営業の仕事は、お客さまの問題を解決し、お客さまにとって必要と思われる「価値」を提供することである。価値を提供するためには、「共に問題解決をする姿勢を持つ」ことが重要である。お客さまはなぜその商品やサービスを買いたいのか、何をしたいのか、どんな問題を抱えているのか・・・。共に解決する姿勢を持った上で、自社の商品・サービスがお客さまの課題の解決にどう役に立つのか、を結びつける能力が価値提供型営業には求められる。
価値提供型営業へ変わるための第一歩は、お客さまに関心を持ち、お役に立ちたいという姿勢を伝えることである。お客さまの真のニーズをつかむためには、信頼関係が何よりも重要であり、信頼関係を築くためには、最初の段階で売込みではないということと、お役に立ちたい、共に問題解決を図りたいということを理解していただくことが何よりも重要なポイントである。まずは、自身の姿勢をお客さまに伝え信頼関係を築くことである。(川久保和華)

脱石油を目指して、新たな営業スタイルを構築する:株式会社新出光様

2009年11月1日 日曜日

08-09111~お客さまに付加価値を提供できる営業マンの育成~

株式会社新出光 産業エネルギー部 部長 大串淑和 様

当社は1926年(大正15年)創業、84年目を迎えています。石油を中心に総合エネルギー商社として九州を中心に全国で展開しており、現在では、エネルギー事業、カーライフ事業、オフィスや家庭向けのビジネスなど、石油に留まらない幅広いフィールドで活動しています。
【産業エネルギー部の役割】
サービスステーション(SS)のように個人のお客さまとは違い、工場や運送会社等を顧客とする直売部門であり、1顧客あたり数千円/月取引額から数億円/月取引額を使用する顧客を一人の営業マンが担当しています。また、燃料油から省エネにつながる潤滑油、タイヤ、太陽光発電システムなども幅広く販売し、省エネや低コスト、環境問題の解決策につながる営業提案を行っています。
【石油オンリーから脱石油へ 営業マンの役割が変わる】
今、エネルギー業界は大転換期を迎えています。環境問題や世界的なCo2削減、省エネルギーにつながる新しい取り組み・・・、このようなビジネス環境において、今後は新出光が果たす役割、営業マンの活動も随分変わってくるものと思います。「石油オンリーから脱石油へ」、非石油事業である太陽光発電システムをはじめ、Co2削減につながる次世代エネルギーへの取り組みに力を入れています。従って、営業マンの取り扱う製品が代わり、訪問先が変わり、面談するお客さまも大きく変ります。今まで以上に幅広い知識や話題、お客さまの業界や会社のことを十分に理解した上での付加価値の高い営業力や提案力が必須となります。
【新たな営業スタイル構築を目指した実践研修を期待】
08-09112ラーニング・システムズ社とは2007年より、直売営業経験の比較的短い営業マンを中心として「営業スキルの基本を修得する」ことを目的に研修を実施しています。そろそろ営業の壁にぶち当たる時期に、お客さまの立場に立った営業プロセスを学び、お客さまをじっくり観察し、相手のニーズに合わせた営業活動を展開する、石油オンリーから脱石油を目指した今後の営業活動には不可欠のスキルです。研修の実施は参加者からの感想を重視して検討しますが、評判は良好です。ラーニング・システムズ社には、今後より実践的で成果が見える内容の営業力強化研修を期待しています。