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「運は100%自分次第」

2024年2月1日 木曜日

“私は運がいい男だ”、“私は運と縁だけで生きている”と公言して憚らない私であり、私の親しい友人たちも皆、“自分は運がいい”と思っている人たちである。            

「運がいい人」というのは、なぜだかわからないがLuckyが続き、いい人生を送っている人で、「運がわるい人」というのは、なぜだか
Un-Luckyが続き、あまり良い人生を送っていない人なのであろうか?

“経営の神様”と言われた松下電器の創業者松下幸之助氏が、「経営者に最も必要とされる要素は何ですか?」と問われた時、「それは、運がいいことです」と答えたそうである。次に、「運をよくするには、どうしたらいいですか?」と訊かれた時、「それは、徳を積むことです」と答えた。

儒教の基本的な教えに「五常(仁・義・礼・智・信)」がある。これは、四徳である「仁」・「義」・「礼」・「智」を行うことによって、周りからの「信」を得る、ということである。そもそも「天」(宇宙)の願いは、我々人間に「明るく幸せに過ごしてほしい」、そして「そのような社会をつくって欲しい」、ということのようである。そのために天が人間に与えたものが理性・本性・人間性である(天の命ずる、之を性という)。具体的には、仁・義・礼・智・信の徳目であり、この徳目の行為を行っていけば、そのご褒美が天から与えられ、それが「運がいい」ということになるのではないかと思う。

脳科学者中野信子氏の著書「科学がつきとめた運のいい人」によれば、運がいい人には共通した考え方や行動パターンがあるそうだ。
例えば
・「自分は運をいいと決め込む」
・「積極的に運がいい人とかかわる」
・「早寝早起きする」
・「おもしろそうかどうかで決める」
・「あえてリスクのある道を選ぶ」
・「より多くの人のために祈る」
・「自分なりの幸せの物差しで測る」    等々

つまり、その行動特性がいい結果につながり、「運」を引きよせている。行動は、自分自身でコントロールでき、「運」は100%自分次第なのである。

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 高原 要次

「地震」

2024年1月1日 月曜日

 先日、熊本県益城町を訪ねた。2016年の熊本地震で最も被害が大きかった地域である。震度7が2回、震度6が5回、震度5が18回、震度4以上が145回、震度1以上は4,484回だったそうだ。壊滅的な被害を受けた益城町が、まさに復旧・復興に取り組み、7年後の今新たな景観を見せている。「よくぞここまで・・・」と、住民,、行政、関係者の方々に心から敬意を表する。
 地震は、地球の地下に存在する「プレート」と呼ばれる岩盤のずれによって発生する。海のプレートに引きずり込まれた陸のプレートの先端が跳ね返って起きる地震を「海溝型地震」、プレートが押し合ってプレート内の岩の層が崩れて起きる地震を「内陸型地震」という。熊本地震は、内陸型地震で「日奈久断層帯」と「布田川断層帯」の地殻変動で、益城町はこの2つの断層が交差している。
 気象庁の、2020年の発表によれば、内陸型である「首都直下地震」で想定されるマグニチュード7程度の地震の30年以内の発生確率は70%程度。海溝型の「南海トラフ地震」では、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%だそうである。
 これらの数字は、地震の発生リスクがかなり高い数値である。しかし、多くの人はいわゆる「正常化バイアス」がかかり、リスク回避や事前の備えを行わない。「正常化バイアス」とは、危険や脅威が迫っていることを示す情報に対して、それを無視し過小視して異常を日常文脈の範囲内として処理しようとする認知傾向のことである。
 豪雨や土砂災害は、予報によりかなりの程度で事前の避難が可能である。しかし地震はいつ来るかわからない。日頃の備えが必要である。

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高原 要次

「聖徳太子(厩戸皇子)と仏教、儒教」

2023年12月1日 金曜日

 「聖徳太子」、昭和33年(1958年)より1万円札の絵柄になり、30年ほど流通していたので、日本人には馴染み深い。聖徳太子とは後世の尊称であり、実名は厩戸皇子。推古天皇の下、蘇我馬子と協調して政治を行い、国際的緊張のなかで遣隋使を派遣するなど中国大陸を当時統治していた隋から進んだ文化や制度をとりいれて、冠位十二階や十七条憲法を定めるなど天皇を中心とした中央集権国家体制の確立を行った。更に、仏教を厚く信仰して興隆に努め、後世には聖徳太子自体が日本の仏教で尊崇の対象となった(太子信仰)。しかしまた、冠位十二階や十七条憲法をみると儒教の思想もまた色濃いことがわかる。
 
 「冠位十二階」とは、朝廷に仕える官人に授けられる官位制度である。ここに定められている大徳・小徳・大仁・小仁・大礼・小礼・大信・小信・大義・小義・大智・小智という全十二の冠位は、儒教の基本倫理である「五常」の徳目「仁・義・礼・智・信」、に「徳」を付加して6つにし、それぞれ大・小の2つに分けて十二冠位としている。儒教では、通常「五常」を仁→義→礼→智→信と並べるが、「冠位十二階」では、最上位に「徳」を置き、仁→礼→信→義→智という順序になっている。この順列にこそ、古代において理想的な国家の樹立を目指した聖徳太子の思想が表れている。「十七条憲法」で最も知られる冒頭の条文「和を以て貴しと為す」は、『礼記』のなかの「礼は之(これ)和を以て貴しと為す」や『論語』のなかの「礼の用は和を貴しと為す」が典拠である。十七条の中には儒教の経書に影響を受けたとみられる文言が数多く見られる。

 聖徳太子が生きた年代は、西暦574年から622年。儒教が日本に伝わったのが、継体天皇の時代の513年、百済より五経博士がもたらした。また、仏教伝来は538年(あるいは552年)とされている。儒教・仏教の伝来から100年も経たたないのに、この高度な知識を習得し、国つくりを行ったことに驚きを禁じ得ない。そのエネルギーをもたらしたものは何なのか、やむにやまれぬ事情があったのか・・・。
厩戸皇子に訊いてみたい。

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高原 要次

「曼荼羅チャート」

2023年11月1日 水曜日

  曼荼羅はもともとサンスクリット語の「マンダラ」の音訳で、マンダラは中心・心髄を意味する「マンダ」と所有を意味する「ラ」の合成語である。つまり「大宇宙の本質的なものを諸仏の配置によって表現し、感覚的・現象的に把握できるようにしたもの」といえる。特に密教においては、経典や注釈書だけでは密教を理解することは難しく、曼荼羅が非常に重要視される。

  マンダラ・チャートとは、曼荼羅模様のようなマス目を作り、そのマス目一つ一つにアイデアを書き込むことで、アイデアの整理や拡大などを図り、思考を深めるものである。   

  現在MLBロサンジェルス・エンエルスで、投手と打者の二刀流で活躍している大谷翔平選手は、花巻東高校時代にマンダラ・チャートを使って今後どうなりたいかといった夢に対する思考を整理し、実行していったそうだ。花巻東高の佐々木洋監督の指導で、高校1年生の時につくったマンダラ・チャートがある。真ん中に「ドラ18球団」と記し、その実現のための8つの要素が「体つくり」・「コントロール」・「キレ」・「スピード160km」・「変化球」・「メンタル」・「人間性」・「運」である。そして、それぞれの要素を細分化して、具体的な行動を8つずつ書いている。計64の目標達成のための行動である。

  高校1年生が、よくここまで思考を深め具体的な行動レベルまで落とせたことに感心する。さらに、フィジカル面、メンタル面と一般に表現するが、彼の場合は「人間性」や「運」ということを明記していることに驚かされる。この精神面の特性が、大谷の大きな成長理由にあがられる。

 この大谷翔平のマンダラ・チャートを見ていると、現在の彼の野球選手としての結果や、彼の振る舞いが、よく理解できる。彼に、心からの敬意を抱かずにはおれない。

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高原 要次

「敬老の日」

2023年10月1日 日曜日

  山間部の我が地域の「敬老会」が、先日催された。対象は80歳以上、住民789名のうちの113名が該当者、14.3%である。因みに、14歳以下(中学生以下)は8.6%。典型的な少子高齢化地域である。
 「敬老の日」、歴史上の由来としては聖徳太子が老人や病人向けの施設「悲田院」を作った日であるとするもの。また、元正天皇が養老の滝に行幸した日、もしくは高齢者に贈り物をした日などとある。
  今日の「敬老会」は、1947年(昭和22年)9月15日に兵庫県多可郡野間谷村が、「老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村作りをしよう」という趣旨から開催したことが始まりである。9月15日という日取りは農閑期にあたり、気候も良い9月中旬ということで決められた。昭和22年当時は戦後の混乱期で、子供を戦場へ送った親たちも多く、精神的に疲労の極にあった。そうした親らに報いるべく「養老の滝」の伝説にちなみ、9月15日を「としよりの日」とし、55歳以上の人を対象に敬老会を開いたのである。
  翻って今日、人権問題の一つに「高齢者問題」があげられるのは、実に嘆かわしいことである。高齢者の介護・虐待、認知症に対する偏見等、本来敬われるべき高齢者が疎んぜられ、虐待を受けるなど言語道断である。
  儒教の道徳法則に「五倫(ごりん)」というものがある。「父子有親,君臣有義,夫婦有別,長幼有序,朋友有信」である。

父子の親・・・父と子の間は親愛の情で結ばれなくてはならない。
        父親は男子、特に長男に対して厳しく育てようとするし、子は時として反発もする。
        父と子の間には親愛があればいい。しかし、それがなければ、うまくいかない。
君臣の義・・・君主と臣下は互いに慈しみの心で結ばれなくてはならない。
        義とは、他人に対して守るべき正しい道であるが、君主と臣下の関係ではそれを行うにおいて、
        お互いに慈しむ心が必要である。
夫婦の別・・・夫には夫の役割、妻には妻の役割があり、それぞれ異なる。
        夫には父性としての義愛が、妻は母性としての慈愛が必要であり、夫婦の役割は異なるのである。

長幼の序・・・年少者は年長者を敬い、したがわなければならない。
        何しろ、長く生きているということは、そのことだけで尊い。年長者を敬うのは当然である。
朋友の信・・・友はたがいに信頼の情で結ばれなくてはならない。
        「朋」とは学びを同じくするもの。「友」とは志を同じくするもの。そこには、信頼がないと朋友にはなり得ない。

長幼の序、人間関係の基本の一つ。美しくありたいものだ。

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高原 要次

「いまやらねばいつできる (平櫛田中)」

2023年9月1日 金曜日

  30年ほど前、岡山に住む学生時代の友人の案内で井原市の「平櫛田中美術館」を訪ねた。その時、ある言葉が目に入り、その色紙を買って今自室に飾っている。「いまやらねばいつできる わしがやらねばたれがやる」という額である。平櫛田中は、日本を代表する彫刻家の一人で、107歳まで生きた。
  「人間は思ったら直ちに実行せねばいけない。考えただけではやったことにもならず、消えてしまうものである。『いまやらねば、いつできる』である。そして、『わしがやらねばたれがやる』と自分で覚悟すること。これが人間の努力を確実にするものである。」と田中は語っている。
  松下幸之助がある縁で平櫛田中に会った、その時に「松下さん、六十、七十ははなたれ小僧、男ざかりは百からですよ」と言われたそうだ。松下は語っている。
  『お目にかかったときに、ずいぶん気持ちの若い人だということは感じていたものの、百歳を越えてなお五十年分の木彫用木材を積んで制作意欲を持ち続けておられるということからすると、「男ざかりは百歳から」と言われたのも、口先だけのことではない。やはりほんとうに自分の芸術を完成させるには、あと五十年は木を彫り続けなければならないという執念とも言える強い思いを持っておられるのだ』。自分より二十二歳も年上の平櫛さんが、今なおみずからの仕事に旺盛に取り組む姿勢に感動し、大きな励ましを受けたのです。考えてみれば、百歳を越えてもあれだけお元気で若々しかったのは、常に夢や目標を持ち、それに向かって『今やらねばいつできる。おれがやらねばだれがやる』と、今という一瞬を精いっぱい生きておられたからだという気がする」と。

人間いたずらに多事、人生いたずらに年をとる、いまやらねばいつできる、わしがやらねばたれがやる・・・。

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「木村摂津守喜毅」

2023年8月1日 火曜日

  木村摂津守喜毅(よしたけ)は、幕末期の幕臣。目付、軍艦奉行等幕府の要職を歴任し、とくに幕府海軍の建設に尽力し、軍艦奉行となった人物である。
幕府は、元延元年(1860年)日米修好通商条約批准のため米国に使節を派遣するのだが、この時正使を乗せたポーハタン号とは別に、護衛する役目と乗組員の航海練習を目的として「咸臨丸」が派遣される。遣米使節副使として木村喜毅が咸臨丸の司令官となり、その下に艦長として勝海舟がおり、従者として福沢諭吉、通訳として中浜万次郎が乗船している。
  木村喜毅は、この「咸臨丸」の航海に際して、航海の道案内と米国側との連絡のため、海軍大尉ジョン・ブルックを始めとする米国の軍人の乗艦を幕府に要請し、反対する日本人乗組員を説得して認めさせた。また、乗組員たちの手当てを幕府に要求したが容れられず、自分の書画骨董を処分して3千両(約2億円)もの大金を咸臨丸に積み込み、全員に報奨金や服装・土産代に分配して残らず使い切った。
  サンフランシスコに到着した木村善毅ら一行は市民の大歓迎を受けた。市長主催の歓迎会に出席した木村は、席上での乾杯の際に“今、日本の皇帝のために乾杯していただいたが、その名前がアメリカ大統領の前にあった。こんどは大統領の名前を先に、アメリカ大統領と日本の皇帝のために乾杯していただきたい“と言って、米国人を感嘆させた。サンフランシスコの市民は、木村喜毅とその一行の姿と所作に美しさと尊敬の念を抱いた。 
  地元紙は木村について以下のように評した。「彼は一見しただけで温厚仁慈の風采を備えた人物で、四十前後と見受けられた。やがて彼は紳士的な服装で謙恭な態度で現れた」 (デイリー・アルタ・カリフォルニア紙)、 「頭上より足の指先に至るまで、貴人の相貌あり」 (ブレッディン紙)
 「咸臨丸」から、163年が経った。世界の中で、「日本」が「日本人」が問われている。世界から尊敬される日本国でありたい、そして尊厳ある日本人でありたい。究極的には、その人の「立ち居振る舞い」であり、それはその人の精神性ではなかろうか・・・。 

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「ご機嫌なチャレンジャーになれ!(ポジティブ心理学)」

2023年7月1日 土曜日

  2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士の「年収と幸福」に関する研究調査(アメリカ人45万人の調査)によれば、年収が多ければ多いほど「生活評価」は高まるものの、「幸福度」は年収7万5千ドルで頭打ちになるとのこと。
  また、「幸せと感じられる時間」や「不機嫌な時間」が日常生活の中でどれくらいあったかを調査する数々の研究では、幸せともっとも大きな相関関係があったのは、「睡眠」と「上司」であることがわかった。
  幸福にも「人生そのものに対する総体的な評価」、「日常生活における評価」の二種類があると言われるが、日常生活においては、十分な睡眠と毎日顔を合わせる上司の影響力が甚大だった。しかも、カーネマン博士によれば「結婚」が幸せに与える影響すら、「上司」の比ではないのだそうだ。
  自分だけの価値観をしっかりと持って、日常生活を大切にして生きて行かなければ、いくら出世しても、収入があっても、幸せを実感して生きることは難しいと言う訳である。
  生きていくために必要な身体の働きのほとんどは、交感神経と副交感神経によってコントロールされている。交感神経が「緊張と闘争のシステム」であり、副交感神経は「リラックスと休息のシステム」である。身体にとってはどちらも必要なシステムだが、ストレスが過剰で交感神経が優位になりすぎると健康を維持するのが難しくなってくる。健康で長生きするためには、副交感神経が優位な方が有利である。いわゆる“ごきげん”な人は、「脳がリラックスしていて、自由な発想ができる状態」であり、副交感神経が優位な状態である。“ごきげん”だからこそ、よいアイデア、新しいアイデア、奇抜なアイデアが浮かびやすし、リスクを恐れず困難なこと、新しいことにもチャレンジできる。
  しかし、いろいろなことにチャレンジすると失敗することも多くなる。しかし、それらのちょっとしたトライや失敗で命を落とすことはないであろう。幸せで健康であれば、また何度でもチャレンジしてやり直すことができる。要は、そんなふうにポジティブに考えられるかどうかである。

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「グローバルサウス」

2023年6月1日 木曜日

 「グローバルサウス」とは、アジア、アフリカ、中南米などの新興国や発展途上国の総称で、主に北半球の先進国に対し、南半球の国が多いことからこう呼ばれる。かつては「南北問題」と言われていたが、東西冷戦後の1990年代から、人・モノ・カネ・情報などが国境を越えて活発に動くグローバル化が進んだ。その恩恵を受けられずに取り残された国や地域などが「グローバルサウス」と呼ばれる。これらの国々は、グローバル化に伴い、貧困、環境、人権などの問題が浮き彫りとなっている。一方、多大な恩恵を受け経済的な発展を遂げている先進国を「グローバルノース」と呼び、アメリカやヨーロッパ、日本が含まれる。
  グローバルノースの人々が普段使っているモノには、グローバルサウスの国で作られたものが多数ある。特に価格の安い雑貨や洋服などは、安い労働力で作られている可能性がある。また、グローバルノースの人々の生活は、グローバルサウスに住む人たちが掘り出した資源や、栽培した農作物を輸入することで成り立っている側面があり、過剰な採掘や農作物の栽培は、原産国の資源が枯渇するという問題へと発展する。食料・燃料価格の高騰や地球温暖化など、問題の多くは先進国に責任があるのに、被る影響は自分たちの方が大きい、とグローバルサウスの人たちは思っている。
  しかし近年、経済的にも政治的にも急速に力をつけてきた中国、相対的に低下してきたアメリカやヨーロッパ諸国、ロシアのウクライナ侵攻等でグローバルサウスの状況がかなり変わってきている。グローバルサウスの多くの国々は、それぞれの国益最大化のために欧米・中露のいずれとも「うまく付き合っていきたい」と考えており、「中立」の立場を表明する国が現れてきている。それは、とりもなおさず「経済的実利」なのである。
  東西冷戦後の30年間で、新興国や発展途上国は世界の国内総生産(GDP)の2割から4割に高まり、逆にG7(先進7か国)は7割から4割に下がった。経済的にもグローバルサウスの位置づけが高まっている。特に、インド・ブラジルは、政治的にも経済的にも発言力を増し、次の時代をリードする国になるであろう、と思われる。
  先進国と後進国、資本主義国と社会主義国、東洋と西洋・・・、二極では語れない“新しい今”が来ている。

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「レンゲ米・・・」

2023年5月1日 月曜日

  田植えを1か月後に控え、トラクターで満開のレンゲ草を鋤き込んでいる最中である。化学肥料は使わず、有機肥料とレンゲ草を使って作る我が家の米は、美味しいと評判である。
植物の肥料の要素は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)。レンゲ草は窒素肥料になる。レンゲ草はマメ科の植物で、土壌中の根粒菌という微生物と共生している。その菌がレンゲ草の根っこに根粒と呼ばれるコブを作り、空気中の窒素を蓄えてくれる。レンゲ草を根ごと田んぼに鋤き込むことで、植物の成長に欠かせない栄養素である窒素を行き渡らせ、土壌を肥やすことができるのである。他の有機肥料も併せて使用するが、窒素肥料を過剰に与えると逆効果で軟弱な育ちになり病害虫に負けやすくなる。レンゲ草の田圃の肥料はその塩梅が難しい。
  一般的においしい米とされるのは、炊きあがりが美しく、ほんのりとした甘味と香りがあり、ふっくらと柔らかく、粘りと適度な硬さがあることと言われている。なかでも、米の粘りと硬さのバランスを左右するのがアミロースとアミロペクチン。粘りと硬さは、この2種類のでんぷんの比率で決まる。アミロペクチンの多いお米は粘りがあって、ほどよい歯ごたえがあり、アミロースの多いお米は、硬く、パサパサしている。アミロースの含有量が少ないほどおいしいというわけではないが、良食味の要素の一つである。稲の育つときの気温が高温で日射量が多いときはアミロースの含有量が低くなり、粘りのある米が出来る。人気の高いコシヒカリのアミロースの含有量は19%程度である。アミロースが多いお米は硬く、パサパサとした食感で、インディカ米に代表される。アミロペクチンが多い米は粘りがあり、歯ごたえが感じられ、もち米に代表される。
  レンゲ草を鋤き込むことと、アミロース、アミロペプチンとの関係は定かではないが、「レンゲ米」は旨いような気がする・・・。
  ところで、我が家の「レンゲ米」を“私が作っている”、と言うのはおこがましい。それを作っているのは「水」と「大地」と「太陽」である。私はただ、土を耕したり、水を調整したり、田の草とりをしているだけである。そして、そこにレンゲ草の力を借りている。

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