「小学、大学、中学」

  日本の学校教育は、初等教育、中等教育、高等教育の3段階に分類される。初等教育は「小学校」で、 修業年限は6年間。中等教育は、「中学校」が3年間、「高等学校」が3年間、そして高等教育が「大学」の4年間。つまり、初等教育を行う学校が「小学校」、中等教育を行う学校が「中学校」と「高等学校」、高等教育を行う所が「大学」である。

  毎年1月に「成人式」が行われる。物理的に、20歳になったので「成人」という意味での成人式であろうが、もう一つの大きな意味は「人と成る」、立派な人間になることなのである。20年間食をはめば体は成人になる、しかし「人と成る」にはその人に努力が必要なのである。

 「人と成る」ための学問には三つある。一つは「小学」。小学とは小人(しょうじん)の学、つまり普通一般の人が学んでおくべき基本的なことを学ぶ学問であり、「修己修身」の学である。二つ目は「大学」、大人(だいじん)の学である。大人とは他によい影響を及ぼすような人物である。その心得を学ぶ学問が「大学」であり、その内容は「修己治人」の学である。三つ目は「中学」、中人(ちゅうじん)の学である。「中」には二つの意味があり、一つは「結ぶ」、同質のものを結ぶ「混合」と異質のもの結ぶ「化合」。もう一つは「当たる」、よいところに当たる「的中」とよい時にあたる「時中」。「中学」とは調和の学であり、造化の学であり、人の上に立つ者のわきまえである。                    

 江戸期、子どもたちは幼少の頃から論語や大学を諳んじ、6歳で藩校や寺子屋に入ると古典の素読を行った。読み書き算盤の実学と、人格教育が江戸期の教育だったのである。現在は、それぞれの段階に応じて学校教育が行われているが、それは知識教育であり、試験に通るための教育になっている。果たして、これで立派な人間ができるのであろうか・・・?

 「天の命じるこれを性と謂う。性に率うこれを道と謂う。道を脩めるこれを教えという<中庸>」本来、教えとは人としての道(道理)を教えることなのである。

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