「五常」(仁・義・礼・智・信)

  「五常」とは、孔子、孟子が説いた仁・義・礼・智の「四端」(生まれながらに人に備わっている四つのもの)に、前漢の董仲舒が「信」を加えて「五常」とした。
  「仁」・・・慈しみの心、思いやりの心。周りの人を愛し、人の立場に立って、物事を考
        える心を持つ。
  「義」・・・人の歩んでいく正しい道。私欲にとらわれせずに為すべきことをすること。
        正義、道理、筋。
  「礼」・・・礼節の心。親や目上の人に礼儀を尽くし、相手には敬意をもって接すること。
        秩序。自分を律し、節度ある行動をとる。 
  「智」・・・善悪を真に理解できる知恵。人や物事の善悪を正しく判断する。
        智慧。様々な経験を積み偏りの無い考え方を持つ。
  「信」・・・嘘をつかない。心と言葉、行いが一致している。
        約束を守り、誠実であること。
  因みに、603年(推古11年)に聖徳太子(厩戸皇子)が制定した冠位十二階は、「五常」に徳を加え、それぞれに大小をつけて、大徳・小徳、大仁・小仁、大礼・小礼・・・と、十二の冠位を定め、個人の能力や功績によって冠位を与えた制度である。「五常」の教えは、冠位十二階の基礎となっている。
  論語に「子曰く、徳有る者は必ず言(げん)あり。言有る者は必ずしも徳有らず。仁者(じんしゃ)は必ず勇有り。勇者は必ずしも仁(じん)有らず」とある。(徳のある者は必ずよい言葉を言う。しかしよい言葉を言うものは必ずしも徳のある者とは限らない。仁のある者は必ず勇気がある者だが、勇気がある者が必ずしも仁のある者とは限らない。)
  「徳」とは最高の人としてのあるべき姿、人間に備わっている良き性質を意味するが、徳の内容が、仁(思いやり)、義(正義)、礼(秩序)、智(智恵)、信(言行一致)である。孔子はこの五常の徳の中で「仁」が一番徳の高い、大事なものだと言っている。

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