「ウクライナと日本」

 クイズです。次の5つの特徴を持つ国はどこでしょう?
 ・国民は平和ボケしている
 ・「軍隊はなくてもいい」という論調が強い
 ・近年、国益を明らかに損なった売国政権を経験している
 ・外国に媚びた弱腰外交を行っている
 ・愛国者は「ナショナリスト」「ファシスト」とレッテル貼りされている

 まさにこれは日本だ、と私は思ったのですが、答えはウクライナ。ウクライナ出身の国際政治学者グレンコ・アンドリーが2019年に著した「ウクライナ人だから気づいた日本の危機」のクイズです。
 今、ウクライナで戦争が起こっている。そもそも、ウクライナはなぜロシアに攻められなければならなかったのか。ソ連共産党のゴルバチョフ書記長がペレストロイカを推し進め1991年ソビエト連邦が崩壊し、ロシアやウクライナをはじめ15の共和国が成立した。ウクライナには独立直後からロシアやアメリカによって「核兵器を放棄するように」と再三の要請がなされた。そして、協力機構(OSCE)会議で署名された議定書で、ウクライナは米・英・露に「国境の不可侵」を保証されたことへの見返りに、絶大な抑止力である「核」を放棄した。だが、結果は無残だった。議定書は国際条約ではないので、それを守る法的義務はなく、核兵器をロシアに引き渡したウクライナに待っていたのは、ロシアによる「侵略」という現実だった。その最たる要因は、ウクライナ国民の“平和ボケ”。そして日本とウクライナの共通点が、まさに“平和ボケ”。
 日本国憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義」、を信頼することがいかに「ありえない」ことか、そしてこれで「われらの安全と生存を保持しようと決意した」日本人の理想がいかに「非現実的であるか」が、わからぬはずはない。
 ロシアは今、ソビエト連邦時代の版図を描いて侵攻している。中国は、「百年の恥辱を晴らし、偉大なる中華民族の復興を果たす」として版図を拡げんとしている。
 『平和を愛する国々』が日本を虎視眈々と狙っている。非常に危険である。ロシアのウクライナ侵攻は対岸の火事ではない!

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高原コンサルティングオフィス

高原 要次