「日本国憲法」

 日本国憲法を守らなければならいのは誰でしょうか?多くの人が、それは国民と答えるのだが、間違いである。憲法第九十九条に「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と記されている。守らなければならないのは、為政者である天皇・国会議員・裁判官・公務員なのである。憲法改正の是非が問われているが、そもそも守らねばならぬ人々を知らずして、議論を進めるのははなはだ滑稽であろう・・・。
 その上で、憲法改正に対して賛成か反対かを問われれば、私は憲法改正に賛成である。主な理由は3つ。
 1.太平洋戦争終了後の占領下において連合国(アメリカ)によって定められたこと
 2.前提が、諸外国は平和を愛するものであり、公正と信義を信頼する、となっていること
 3.公布された1946年と、75年後の2021年現在とでは、環境が大きく異なっていること
 1945年9月連合国軍が日本を占領した(実質的にはアメリカ軍による単独占領)。そしてマッカーサ―は、幣原喜重郎首相に憲法改正(実質的には明治憲法を廃止し、新たな憲法をつくる)を指示し、憲法問題調査員会が発足し、憲法改正要綱としてGHQに提出した。その内容は明治憲法を改正したものになっており、マッカーサーはこれを認めず、GHQ民生局(ホイットニー少将)に草案作成を命じた。民生局の25名が手分けして作業をし、極めて短期間で草案した。占領軍の意図は、日本国民が決してアメリカに歯向かわないように、占領政策に従順なように、そして今までの日本国を否定するように、であった。更に、国際社会は純粋に平和を愛する国家であると謳い、周辺諸国は戦争や侵略を行なわないという前提にして、すべての戦力を放棄させた。民生局の彼らは、これは占領下の暫定的なもの、占領基本法のようなものと認識していたそうである。1946年11月3日に、一応吉田茂首相以下日本人自身での公布になっているが、もしこの草案をのまなければ、天皇が戦争裁判にかけられていた。
 憲法とは、国の政治の基本を定めるもので、国民の権利や国家の統治に関する規定である。国を統治するにおいて国際社会や国内環境が大きく作用するが、この日本国憲法が公布された1946と75年後の現在とでは、国際社会は大きく異なる。日本の周辺国である韓国・北朝鮮・中国は排日・嫌日であり好戦的である。わが国の安全は危機にさらされている。また、経済活動や社会活動はグローバルになり、貿易や経済上の問題、感染症や疾病等、一国だけでは解決できない。このような環境の変化に合わせて、国の基本法である憲法も柔軟に改正すべきではなかろうか。因みに同じ敗戦国のドイツは62回も憲法を改正している。

 

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高原コンサルティングオフィス

高原 要次