2017年6月 “8月の蜂”

 虫刺されが多くなる夏。公園など外出すると蚊に刺され、雨上りの畑に行くとブヨに顔を刺されては赤く腫れ、痒くてたまらなくなります。痒いだけではすまされない毒液を持つスズメバチにも出くわす機会も夏に多くなるものです。

  昨年8月末の日曜日の朝、主人が朝早く外出したので、いつもより早く畑仕事にとりかかりました。夏野菜の栽培で使った、たくさんの支柱を土から抜き、片付けようと、畑のすぐ横にある所定の場所に収納していました。長短さまざまなプラスチック製の支柱や竹の棒ですので、強引に押し込むようなやり方です。するとどこから飛んで来たのか、突然頭にチクッと痛みを感じました。「もしかして蜂?」と思うと同時に、何匹も飛んで来たので急いで家の中に逃げ込みました。スズメバチに刺されたことで、アナフィラキシーショックを起こし救急搬送されましたと、時折聞くニュースを思い出しました。不安を感じながら、すぐに頭皮をつまみ出すように流水で数分間洗い流し、その後氷で冷やして痛みに耐えました。でもひとりでとっても不安でしたので、日ごろ親しくさせていただいてるご近所の方に電話して、病院に連れていってもらいました。医者には「震えがきたり、具合が悪くなったらすぐ来院して下さい」と言われ、帰宅しました。

  スズメ蜂の巣は最大で25~30cmほどの球状です。木の枝や民家の軒下に作られることが多いですが、稀にこんなところにも!?という空間に巣を作るスズメバチもいるそうです。

 私の場合は道具置き場にあるステンレス製の棚の上にありました。活動期間は、数種類のスズメバチそれぞれ、長さが大きく異なります。活動期間は4月~11月頃で、攻撃性の高まる期間はだいたい8月~10月です。スズメバチの巣の近くで被害に遭うのが多いのですが、ズズメバチは攻撃する前にちゃんと顎で「カチッカチッ」という威嚇警報を鳴らし、それに気づかず巣の近くに行くと攻撃され、刺されてしまうことがあります。呼吸困難や急激な血圧低下による意識障害などを引き起こす‘アナフィラキシーショック’は、おおよそ1割の人が2度目以降に刺された時に起こすと言われています。万が一刺されたら、まず、流水で刺された傷口をよく流し、患部の周りをつまんで、毒を絞り出すようにします。毒針が皮膚に残っている場合は、爪弾きするようにして針を取り除きます。病院の内科に行くのが一番で安心です。

  濃い色(黒・赤・青など)に攻撃性を示し、特に黒い色には激しく反応するので、蜂が居そうな場所に外出する時は、服装は白っぽい薄い色を選び、髪の毛も黒いので明るい色の帽子を被ると良いようです。蜂の習性を知っておくと良いと思います。

 実際刺された時は、帽子もかぶらず、威嚇警報にも気づきませんでした。刺されてから1日中強い痛みがありましたが、幸い30分くらい経っても気分が悪くなるといったことがなかったので助かりました。もうすぐ8月。それ以来、蜂に対して恐怖心があり、蜂の巣(特にスズメ蜂)に注意を払っていますがなんとなく嫌ですね。

                                                                     (原口佳子)