2016年3月 “同じ痛みを体感?”

 「お母さんが帯状疱疹になっちゃった!」と実家の鹿児島から連絡を受けたのは昨年の9月末。同居の義父も以前罹ったことがあったので、その名前と症状については多少なりとも知識はありましたので、88歳の母もさぞかし痛いだろうと思っていました。それから3か月後、私も同じ病気に罹ってしまいました。

 入浴時、左わき腹のおへその近くに、ひとつの赤い斑点とピリッとした痛みを感じたのです。まさかとは思ったのですが、2日後にはいくつも出来ていたので、慌てて皮膚科を受診したところ‘帯状疱疹’だと言われました。受信から3日間は痛みはたいしたことはなかったのですが、その後は決まって夜中に激痛が襲い、眠れません。痛みに耐えるのに体力を使うので、お昼過ぎまでぐったりです。午後は少し楽になるので助かりましたが、食欲もなくなり、大好きなお菓子も食べる気にはならなかった程です。10日ほどで夜中の激痛は朝方だけになりましたが、皮膚の痛みは触れるだけでひりひりしたり、チクッとした痛みが続きました。現在まだ微痛が続いています。

  帯状疱疹は、水ぼうそうを起こす原因ウィルスと同じ水痘・帯状疱疹ウィルスによって起こる病気です。子供の時かかる水ぼうそうが治った後、身体の中に潜み続け、免疫力が落ちた時(過労、大きなストレス、加齢)に隠れていたウィルスが活発になり、神経節の神経に沿って皮膚や神経を攻撃しながら増え始めます。ウィルスの皮膚への攻撃によって水ぶくれなどのブツブツが現れるとともに、神経への攻撃によって強い痛みが起こります。主な発症部位は一般に、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状にあらわれるのが特徴です。胸から背中にかけて最も多くみられ、全体の半数以上が上半身です。顔面や目の近く、耳、頭に出ることもあるそうです。発症年齢は60歳代を中心に50歳代~70歳代に多くみられる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症したり、免疫力が極端に落ちている高齢者にも発症します。また通常は生涯に一度しか発症せず、免疫が低下している患者さんを除くと再発することはまれです。

  それにしても、どうして私が帯状疱疹に罹ったのだろうかと、少し落ち込みました。

でも何か意味があるのだと思いを巡らせ考えていましたが、その訳が自分なりにわかりました。それは高齢の母(少し認知もあります)と同じ病気になる事で、痛みを具体的に説明できる事だと思ったのです。偶然にも母と同じ病気。さらに患部は、母と全く同じ所(左脇腹)に帯状に出来ました!痛みを代弁するには大分遅れてしまいましたが、母の世話をしてくれる姉たちが、「一日の時間帯で痛みの度合いが違うとか、身体の置き方でどのように痛みが違うかという事がわかったよ。」と感謝してくれました。母がこんな痛みに耐えたのかと思うと、‘母は強いな’と感心せずにはいられません。

 帯状疱疹に羅患から母は5ヶ月、私は2ヶ月経ちました。母もだいぶ痛みが弱くなった様子で安心しています。可笑しな話ですが、病気を共有する事で役に立つ事もあるのですね。

                                                                    (原口佳子)