パーソナリティ診断ツールをチームビルディングに活かす

 丁度1年前の2014年1月「パーソナリティ(個人特性)診断結果を仕事に活かす手掛かり」をテーマに、パーソナリティ診断ツール「Facet5」を紹介した。これは「ビッグ5理論」をベースにして“仕事に役立てること”を想定して作成された個人特性診断ツールであり、リーダーシップ開発やチームビルディングに活かす目的として、世界中の組織やコンサルティング会社で活用されている。内容については前回のレポートをご覧頂きたいが、今回はその第2弾、どのようにして「Facet5をチームビルディングに活かす」のか、その方法を紹介したい。

 そもそもチームの定義は何か・・・? それは「目的を共有している人の集まり」である。

従って、チームとして機能する1つ目の要素としては、「共通目的」がある。目的や目標があっても単に数字だけが独り歩きし、それがメンバー全員に共有されて(腹に落ちて)いなければチームとして機能していないことになる。2つ目の要素は「協働意欲」、“メンバーと一緒に頑張ろう”という気持ちである。どのようにしてチームや組織に貢献したいか、目標の達成に向けてエネルギーや自分の強みをどのように注ぐかということになる。3つ目は「コミュニケーション」、活発なコミュニケーションを通じて考え方ややるべきことをチーム内で調整することである。以上の3要素をチームとして機能させるために、つまりチームビルディングには、メンバー同士の相互理解が不可欠と言える。

 相互理解を深めていく道具として、Facet5ではオプションに「Team Scape」がある。チームのパフォーマンスの向上や改善を目的に、チームメンバーの個人の関係とお互いの理解を助けるのに活用できる。「Team
Scape」では、3つの方法でチームメンバーを比較し、分析等を通して、お互いの理解を深めていくデータが明確に示される。

    ①オーバーレイ・・・・・メンバーのファミリー像を比較し、メーンバーのスコアの開き度合いや支配的なファクター(軸の高低)を見つけることができる。

    ②スナップショット・・・チーム内で自分自身が、メンバーの互いのスタイルをどのように捉えているかを見ることができる。他のメンバーの位置が近いほどスタイルが似ている。

    ③チームスケープ・・・・ワークサイクル(※)への自分自身の貢献度を見ます。四角形の大きさで表示され、メンバー個人が最も、かつ自然にチームに貢献できるプロセスを見ることができる。

   ※ワークサイクルとは、チームの目的が何であれ、チームは①アイデアを考え出し、②選択肢を評価し、③意思決定を行い、④それを実行する。こ の4段階を1つのサイクルとして回していくプロセスと考える。

 チームスケープは、このワークサイクルへの自分自身の貢献度を見ることができる。

「Team Scape」の3つの方法を使い、メンバー同士がお互いにフィードバックや議論をし合うことで、有効性の高いチームビルディングを実現できるのではないだろうか。特に③チームスケープは、メンバーがどの領域に分布しているかで、典型的な行動を具体的に把握でき、強みを活かせる(有効な)場面(仕事)がどのような時か、目的に応じてメンバーを選抜することも可能になる。

チームビルディングを行っていく上で、まず何から手をつけてよいのか分からない時、「TeamScape」はその具体的な行動レベルの手掛かりを示してくれる。

 

                                                          (パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)