2015年1月 『人は人で磨かれる、人は仕事で磨かれる』

 学生時代の仲間5人で、母校に乗り込み「就職支援セミナー」を行う。今は、それぞれの会社で経営職に就いており、自分の体験(特に失敗)を基に時代を担う学生達にメッセージを送る予定。

 言いたいことは3つ。①しっかり学べ②やってみろ、トライしろ③気概をもて。

 大学は高校時代の延長ではない。単に知識の量を増やすのではなく、学ぶ自由・学ばぬ自由も含め自分の責任で、学ぶのである。いわば“自分自身でいかに考えるかを学ぶ”、そして知性を磨く。知識とは、言葉で表せるものであり、書物から学べるもの。知恵とは言葉で表せないものであり、経験からしか掴めない、やってみなければ分からない。知性の本質は知識ではなく、知恵である。しっかり学べ、かってみろ、てトライしろ、と言いたい。

“最近の若者は・・・”とは、古代エジプトのパピルスにも書かれているように、古今東西での常套句。敢えて言わせてもらう、“最近の若者は”直ぐに答えを求めたがる。どうすればいいですか?何が正解ですか?言ってください、言われればやりますから・・・。嘆かわしいことである。自分で考え、意思を持て、「君はどう思う、君の考えは!」を問いたい。

 われわれ5人すべてが、学生時代に1年間休学して南米に行っている。“何故、その時代に1年間休学して南米に行ったのですか?”“学生時代に海外に行ったことは、その後どんな役に立ちましたか?”と訊かれる。集約すれば、その答えは「視野が広がった」ということになるが、我々は得か損かで行動したのではない。何かのメリットを求めて渡航したのではない。秘めたる何かに突き動かされて、飛び出したのである。

  「視野が広がる」とは、見える範囲(角度)が広くなる、というのが第一義である(横に広がる)が、二義的には時間軸が長くなるということである。今だけではなく、10年後、20年後まで思考範囲が伸びる(縦に広がる)。そして第三義として、思考が深まる。海外に出ると日本に対する思考が深まる。人と交わると、自己を内観し、自己理解が深まる(深くなる)。

 学び、気づいて、行動が変わり、成長する。

 学生諸君、しっかり学べ、やってみろ・トライしろ、気概をもて!そして、しっかり仕事しろ!

“人は人で磨かれる”、“人は仕事で磨かれる”。これは丹羽宇一郎氏(元伊藤忠商事社長、前中国大使)の言葉である。

 

                                                             ラーニング・システムズ株式会社

                                                              代表取締役社長 高原 要次

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                   丹羽宇一郎 氏