2014年1月 “「グローバル人材育成・・・」”

 政府の教育再生実行会議が「グローバル人材育成」を提言し、それを受けて文部科学省は全国の国公私立大学の中から30校を「スーパーグローバル大学」に指定し、重点的に支援することを決めた。同時に、達成度テストの創設を柱とする「大学入試改革案」も提言した。喜ぶべきことである。

 また、2015年度の国家公務員試験(総合職試験)から「TOEFL」を使う方針が決まった。そうなると大学生もTOEFLを勉強せざるを得なくなり、さらに大学入試にTOEFLが採用され、高校生もTOEFLを勉強し、英語のレベルが一気に高まる、と言う筋書きらしい。英語力だけが、グローバル人材の要素ではないが、大きな武器であることは間違いない。その意味では、この制度が本格的に導入されれば、こと英語に関しては大きく変わることは確実であり、グローバル人材に一歩近づく。

 物事を変革するには”戦略”・”システム”・”人の行動”を三位一体で変える必要がある。為政者が、この国の根幹を作りかえるには”教育”が最重要であると、覚悟を持って臨むことに賛成である。その一つに「グローバル人材」を掲げ、戦略的に取り組むことも賛成。そして制度を変え、新しいシステムで人を育てていく。

 問題は、”人の行動”であり、行動を起こす前提である「学生の意欲」である。宗教心もなく、国家観も持ち合わせず、与えられて育った彼らは社会への貢献意欲に乏しい。また海外で外国人と伍してビジネスで競争する逞しさに欠ける。

 となれば、制度(システム)で”その行動”をとらせる以外に道はない。大きな制度の変更は、大学の入口を広くして、出口を狭くすることであろう。学ばなければ卒業できない。入学試験のための勉強ではなく、卒業のための勉強である。高校が予備校化することもなく、しっかりとした学びができる。ちょうど、旧制高等学校のように・・・。

ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次