営業の“見える化(可視化)”とは?

 組織やチームとして成果を上げ続ける、どんなビジネス環境でも成果を出し続ける営業担当者の育成・・・、営業力の向上は時代に関係なくどの組織においても常に必須のテーマである。色々な業種、さまざまな経験のある営業担当者に対する研修を行う機会も多いが、参加者に応じてビジネスマナーのような原理原則を学ぶ内容や基本スキルの修得、自分自身や部下のセールスマネジメントの方法に至る内容まで、課題解決に対する要望や期待する効果は様々である。

 ただ、そこに共通する問題は、受講した研修そのものが参加者個人で完結してしまい、組織的に共有する仕組みがなかったり、そもそもそ上司が研修そのものに関心を示さず、研修で終わってしまっている点である。まさに営業と同じで営業プロセスや成果が属人的になってしまい、結果のみのマネジメントが行われ、組織としてプロセスが共有されていない点と同じである。

 営業の”見える化(可視化)”とは何か。それは営業”活動”の組織的なプロセス共有である。

 ところが、営業の実態を見てみると共有されているようで、されていない。つまり結果(売上数字・利益)は見るが、途中のプロセスは営業担当者の”感覚”任せになっていることが多い。これでは組織的に共有できるどころか、途中の活動が見えてこない。具体的に言うと営業上の問題や課題も特定できず、強化・指導ポイントも明確になっていないということである。

 ここで、営業担当者が目標を達成するために重要でどれも欠かすことのできないパフォーマンス(=期待される成果に至る一連の言動)の要素をご紹介したい。結論から言うと、この要素に基づいてマネジメントすることが営業担当者の活動の”見える化”につながり、組織として、どんなビジネス環境でも成果を出し続ける営業担当者の育成につなげることができるのではないだろうか。


 具体的なパフォーマンスの要素は以下の通りである。

 G(目標)=T×A×B×S

 T (Targeting) :ターゲッティング
 A (Amount) : 訪問の量
 B (Behavior) : 面談の質
 C (Self-Contorol) : 自己管理

 

 

 

 TABSの1つ1つのレベルを把握することが営業担当者の活動が”見える化”につながり、PDCAを回していくことで組織全体のプロセス共有と成果を出し続ける組織の実現を可能にすることができる。

 TABSの現状を把握するためのアセスメントツールや活用法、組織の課題の見える化につながる新しい行動特性診断ツール等、これから順次ご紹介していきます。

(パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)