『営業活動 行くべきところに行っていますか?』

 円高や大手企業の海外シフト、製造業や業種、規模に関係なく、日本の企業全体が大きく変化している。原発・エネルギー問題、グローバル競争、円高への対応、低価格競争・・・、企業として取り組むべき問題や課題が山積している。その中でも、企業経営はGoing concern(ゴーイングコンサーン)、会社が将来にわたって事業を継続していくという前提で成り立っている。マーケット(お客様)に価値を提供し、その対価として利益を創造し続けることが使命である。

 営業はその第一線で活躍し、会社の売上・利益に直結する重要な役割を担っている。皆さんは今、営業活動を行う中で、新規顧客の獲得や既存顧客の拡大は順調であろうか?また、成果を上げるための活動、つまり“行くべきところに行く”営業活動ができているだろうか? 

下の図を見て頂きたい。

縦軸がお客様との「新密度」、横軸がお客様のポテンシャル「成果の可能性」の度合である。

 結論から言うと、右上の領域にあるお客様は放っといても優先的に訪問するであろうが、問題は右下の領域にあるお客様への訪問である。場当たり的な訪問では、右下の領域のお客様はどちらかというと“苦手なお客様”に分類され、訪問頻度は下がってしまう。もっと言うと、無計画な訪問では左上の領域のお客様を訪問してしまう。つまり、“ポテンシャル(成果の可能性)は低いが行きやすい(会いやすい)”相手である。これでは営業活動に時間ばかりが経過し、成果を上げることが難しくなると同時に、新規顧客の獲得はまずあり得ない。

 原因は3点ほど考えられるが、1つ目は計画的な訪問になっていない。二つ目は親密度の高いお客様を大切にし過ぎる。3つ目が重要で、ポテンシャルが高いのに苦手なお客様と思い込んでいるため訪問できず、得意なお客様に訪問が偏ってしまうことである。

 お客様に対して得意・苦手を作ってしまうことは、人間であれば当然である。しかし、成果を求められる営業活動においては、この問題を解決しないことには継続的に成果を上げることは困難である。その解決策がある。弊社では「パーソナル・スタイル理論」と定義づけているが、得意・苦手なお客様をつくらず、“行くべきところに行くために”、自分自身のものの見方・相手への接し方を変える手掛かりが見つかるのではないだろうか。        (菊池 政司)