「幸せの方程式・・・」

 今、救急病院に入院中である。昨年も、腰の手術で1か月入院した。ベッドに横たわりながら“60余年の私の人生、そこそこ「いい人生」だったなあ・・・。まあ「幸福」な人生だったなあ・・・”と思った。一体私は、何をもって“いい人生”だった、“幸福”だったと感じたのだろうか?60余年間を冷静に分析して「いい人生」と判断したわけではない、むしろ今がある程度満足な状態にあるから、過去の60余年を一括して「いい人生」と感じているように思う。大成功した訳ではない、大金持ちでもない、たいした地位でもない、しかし満足である。
 「幸せのメカニズム(前野隆司著)」という本がある。サブタイトルは“幸せはコントロールできる 脳・ロボット学者が解き明かす、そのしくみ”となっている。前野氏いわく、日本の実質GDP(一人当り)は、この50年でざっと6倍になっているが、生活満足度は横ばいである。経済的に豊かになっても幸福になったとは言えない。また、地位財(所得・社会的地位・物的財)は、周囲との比較により満足を得るものであり、長続きしない。一方、非地位財(健康・自主性・帰属意識・自由・愛情)は他人との相対比較ではなく幸せが得られるものであり、長続きする。と。
 では何が「幸福」をもたらすのか?1500人のアンケートの心的要因分析の結果4つの因子が明らかになったとのこと

第一因子:やってみよう因子(自己実現と成長)
・コンピテンス(私は有能である)
・社会の要請(私は社会の要請に応えている)
・個人的成長(私のこれまでの人生は、変化・学習・成長に満ちていた)
・自己実現(今の自分は「本当になりたかった自分」である)

第二因子:ありがとう因子(つながりと感謝)
・人を喜ばせる(人の喜ぶ顔がみたい)
・愛情(私を大切に思ってくれる人たちがいる)
・感謝(私は、人生において感謝することがたくさんある)
・親切(私は日々の生活において、他者に親切にし、手助けしたい)

第三因子:なんとかなる因子(前向きと楽観)
・楽観性(私は、ものごとが思い通りにいくと思う)
・気持ちの切り替え(私は、失敗や不安な感情をあまり引きずらない)
・積極的な他者関係(私は他者との親しい関係を維持することができる)
・自己受容(自分は人生で多くのことを達成した)

第四因子:あなたらしく因子(独立とマイペーズ)
・社会的比較志向のなさ(私は、自分と他人をあまり比較しない)
・制約知覚のなさ(私に何ができ何ができないかは外部のせいではない)
・自己概念の明確傾向(自分自身についての信念はあまり変化しない)
・最大効果の追求(満喫する態度をとる)

 この4つの因子すべの点数が高いグループ(20%)は「幸福度が高い」、すべてが低いグループ(11%)は「幸福度が低い」。
 龍安寺の蹲踞に刻まれた「吾唯知足」と相通じるものがあるが、実践が重要。
幸福になりたければ、「やってみよう!」・「ありがとう!」・「なんとかなる!」・「あなたらしく!」を実践しよう。

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高原 要次