ラーニング・フォーラム2008ご報告

「ラーニングフォーラム2008」を開催いたしました。多くのお客様にご参加いただき、大変好評の後に終了することができました。内容について簡単に、報告いたします
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開 催 日 2008年8月28日(木) 13:00~17:30
開催場所 ハイアット・リージェンシー・福岡2階ボールルーム
講 師 前野哲博先生(筑波大学付属病院病院教授)
杉井隆造様(株式会社安川電機人事総務部人材開発課キャリア開発担当課長)
音 楽 あらたに葉子様

13:05~ オープニング:ラーニング・システムズ株式会社 代表取締役社長 高原 要次

07forum2008-2●ラーニング・システムズの企業理念、考え

・“学習を通して成長し、人の役に立ち、人生を楽しむ”
「学習する組織」づくりのお役立ち

●映画「北辰斜めにさすところ」で問いたいもの
・“教養とは・・・、人生とは・・・、リーダーとは・・・”

●「教えない教育」とは
“教えすぎない、気づかせて学ばせる”、“学び”で組織は成長する

13:15 ~ ラーニング・システムズからの提言~
ラーニング・システムズ株式会社 営業部長  高山 有朋

「今変わる新人教育―自ら考え、行動する社員を育むためにー」

07forum2008-3●現在求められている人財は、「自ら学び、自ら考え、自ら行動できる人」である

●ラーニング・システムズでは、新人社員の育成の考え方として
<1>長期的視点で育成する
・3年間という育成期間をすえ、「職場で意識的に計画的に」人を育てる。
・管理者やメンターの関わりが特に重要。

<2>型を徹底させる
・仕事のやり方に加え、人としてのあり方を徹底させる。
・「なぜやるのか」というベースを理解させる必要がある。

<3>ありたい姿、あるべき姿を描かせる
・個人のキャリアプランニングを考えさせ、「ありたい姿、あるべき姿」描かせる。
・EQ(こころの知能指数)の考えを教育に取り入れ、人生・仕事でのライフキャリアも描かせる。

今後の新人教育では、3年目社員が2年目社員に、2年目社員が1年目社員に互いに教え互いに学ぶことが重要である。
教え、教わり、学ぶことが、自律と自立の人づくりには欠かせない。

13:40 ~ 「医学教育における教えない教育-信頼される医師を養成するためにー」~
筑波大学付属病院  病院教授  前野哲博先生

医学教育の現状と問題点、筑波大学での取り組みを紹介。

07forum2008-4●医学教育の現状と問題点は
知識や高度先進医療重視で、実学(技能、態度)は軽視傾向にある。臨床教育の大部分は大学病院で行われている。結果、専門化・細分化し現場で使えず、応用か利かない医師が育ち「患者中心」の医療ができないという問題が生じている。
●筑波大学における医学教育改革
期待される医師像として「学び続けられる力」などが求められている。
筑波大学では医学教育における「教えない教育」として
1.問題基盤型テュートリアル教育
シナリオに基づき問題点の抽出→自己学習→グループ学習→発表を繰り返す内容。
2.クリニカル・クラークシップ(参加型臨床実習)
自分の能力に応じて診療に参加する。
3.医療概論
医療者としてのスキルや態度を身につけさせる。
4.Faculty Development(教育者の教育)
教育方法を教育者へ教える。
を実施。重視するのは知識のみを教えるのではなく、「自ら学ぶ力」を身につける教育である。そのために、医学教育のパラダイムを「知識重視」から「自ら学ぶ」へシフトしている。

●「教えない教育」実践のためには
・「信じる」現在のパフォーマンスを見るのではなく、将来を信じること
・「耐える」心を砕き手間を掛けないと教育はできない
・「支える」成長できる環境を整え、長期的・継続的・体系的に教育する

どう教えたかではなく、相手がどう学んだかの視点をもって教育に取り組むことが重要。

15:20~ 「本音が生み出すセルフモチベーション」
株式会社 安川電機 人事総務部人材開発課 キャリア開発担当課長 杉井隆造様

「本音」をキーワードとする様々な取り組みを紹介

07forum2008-6●安川電機の人材育成
社長の思い「安川電機を愛し、安川電機を誇りに思う人づくり」を推進するために「育とう・育てようとする風土の醸成」が重要である。
1.「Yわい倶楽部」、『人づくり』伝承講座、本部、事業部対話集会がある。
特に社長自らが各事業所を訪問する「Yわい倶楽部」。『気楽にまじめに』人材育成から将来の夢までを双方向で話し合う。メールやインターネットではなく社長と直に話すことで参加者の意識が変わってきつつある。

2.安川電機の教育体系
OJTからOJLへ。主体的に“学び、考え、行動する”人材を育成するために。
新入社員導入研修「ウォークラリー」でのごみ拾いを通して日頃からのモラル・5S・マナーを体感、「模擬出張」で出張報告書の作成を通し、文書作成力を養成。

3.ある女性社員の自己研鑽
子育て中の本音(残業できない)が生み出した、ワークライフバランス実現への道を事例で紹介。
数々の業務改善やキャリアデザインを通して、自身の人生における目標が明確化。
今置かれた事業や状況の中でやれることをやる姿が周囲の女性社員の意識にも変化を及ぼしつつある。

●自作家づくり
家に対する本音が生み出した、自作家完成までの道のりを紹介。
家族や周囲の理解、情報収集、そして明確なイメージと強い意志が成功の秘訣。

本人がその気にならないと教育も自己研鑽も家作りも、できない。周囲は本人の「本音」にいかに訴えるかが重要である。

16:45~ 「Sing a Song!」〜 あらたに葉子様

07forum2008-5●「愛燦燦と」「上を向いて歩こう」「さとうきび畑の歌」など馴染み深いメロディーから絵本をモチーフにした歌まで、聞く人の心を捉えて離さないその歌声に、思わず涙する参加者もいたようだ。

「言葉は時にウソをつきます。けれど歌は心にまっすぐ届きます。是非会社でも歌を歌ってください」。