「目に青葉、山ホトトギス、初鰹」

 桜が咲き、石楠花・躑躅と続き、今シャガが可憐な花を見せている。まさに、春爛漫。そして、新緑が芽吹き初夏へと向かう。四季折々の作品であり、自然の摂理である。

 ”目に青葉、山ホトトギス、初鰹” 江戸時代の俳人、山口素堂の句であるが、初夏の喜びを素直に簡潔に述べた句である。目に青葉・・・目に映るのは萌えるような木々の若葉。山ホトトギス・・・山から、透き通ったホトトギスの鳴き声が聞こえてくる。初鰹・・・旬を迎えた初物の登りカツオに舌鼓を打つ。活き活きとしたこの時期に、まさに三つの贅沢。

 古代中国の人々は、満天の星を観ながら「天には膨大は数の星があるのに、なぜ衝突しないのか?」、「ここには何らかの法則とリズムがあるに違いない!」と思った。春秋戦国時代(紀元前770年頃から前221年まで)、500年以上戦争が続いているが、人間社会にもこのような法則とリズムをあれば、落ち着いた世になるに違いない。この「秩序」が欲しい、と思った。

 春夏秋冬、季節は回り、春になると若葉が萌え、種子は芽を出す。鳥や動物は卵や子を産み新しい命を育む。天地自然のはたらきによって万物が次々と生まれ(生生)、変化しながら成長・発展していく(化育)。「生生化育」。

 「道徳」とは、一般的には倫理観や規範として用いられるが、本来的に意味するところは「秩序」と「創造」である。
“目に青葉、山ホトトギス、初鰹”、天地自然の働きへの感謝と喜び、「生生化育」の理、有難し有難し。

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