2017年12月 “兄弟のような教授と助教授”

 先月、花束贈呈という大役を仰せつかって、大学時代の恩師である岩堀修一先生の傘寿祝賀会および研究室の同窓会に出席してきました。傘寿とは思えないほど若々しく、同級生同士で結婚されたという奥様を同伴されて来られました。お変わりない笑顔が112名出席の会場をあたたかく包んでいました。

  学生時代を思い出すとき、頭に浮かぶのは、ふたりの先生の姿です。当時、教授だった大畑徳輔先生と助教授の岩堀修一先生です。栽培技術の改善により、地域農家に貢献することを重視された先生でした。ふたりともとても小柄で、体格も似ていましたし、いつも変わらない笑顔で学生に接してくださいました。一生懸命勉強したというより、楽しみながら研究に没頭し、社会勉強をさせていただいたような気がします。国内外でも実力のある優秀な先生だったと思いますが、私たち学生には、いつも笑顔で優しく指導して下さいました。私が自宅にフランス留学生を迎い入れたのは大畑先生からの依頼でしたし、結婚するときはエンジェルの壁掛けを下さいました。岩堀先生は農場実習や研究で頑張っている学生に、自分のお小遣いでよくご馳走してくださいました。翌日は必ず質素な食事(昼食)をしている姿を拝見していました。

  私が入学した当時は、農学部・園芸学科、果樹園芸学でした。現在は農業生産科学科、果樹園芸学と、名称が変わっています。果樹園芸学は、果樹や果物を対象とし、高品質な果物の安定生産・多収を目指して多様な面からアプローチする学問です。鹿児島大学果樹園芸学研究室は、暖地に位置する鹿児島の立地条件を活かして、かんきつ類、パッションフルーツ、アセロラ、アボガド、アーモンドなどの亜熱帯・温帯果樹を主な材料として、幅広いテーマで研究を実施している教室なのです。岩堀先生は2014年、オーストラリアのブリスベンで「ISHSフェロー」を受賞されています。この賞は、園芸科学の分野における世界的に卓越した業績を有する国際園芸学会会員に授与されるもので、岩堀先生の国際園芸学会に対する貢献が評価されたと言えます。

  「私たちはとんでもない先生の元で学んでいたんだね!」との声がしきりに会場内で聞こえていました。大畑先生は残念ながら10年ほど前に他界されましたが、奥様とドライブするのが楽しみだと仰る岩堀先生とは、まだまだお会いする機会がありそうです。学生に尊敬された、おふたりの先生方に学ばせていただいた事に感謝です。

                                                                                    (原口佳子)